酒が憎い

酒が嫌いな訳ではなく、程々に美味しいし気も緩むし心地もよい。翌日のだるさや頭痛を除けば好きな方である。ただ相手を嫌悪しすぎないよう対象を逸らしているだけで。

昨晩、自宅のドアの前で家の鍵を探していると誰かが後ろを通って行った。なんとなくその人がどの家に入るか気になって後ろ姿を見守っていたら、隣の家の前で立ち止まった。隣の家の人だった。その人は鍵を差しながらこちらを見て力強くうなづいて中に入って行く。いつもと同じ挨拶ではあるけれど、ああこの人は分かっているんだ、気づいているんだとその時に知ってしまった。隠していたつもりもないけれど、家に入るなり泣いてしまった。

ご飯が美味しくないのよ。